2021-2022 GRAY SNOWBOARDS.
「FREESTYLE CATEGOLY」の開発ポリシーは、スノーボードの基本性能である「ターン性能」を根幹とし、あ
そこにライディングスタイルのエッセンスをプラスアルファしていくと言う考え方。
私達は、カーヴィングカテゴリーの設計・開発で積み重ねた経験と開発力を、
FREESTYLE CATEGOLYの各シリーズの改良にフィードバックしています。
さまざまなライディングスタイルやスノーボーディングのカタチがあっても、すべてのテクニックはスピードや質の高いターンから生まれるからです。
ハーフパイプ、スロープスタイル、グラウンドトリック...各カテゴリーの開発ライダー達は、どのように改良すれば、
さらに次のステージへと引き揚げてくれるボードになるかを常に考ています。
また時には、今までに無い新しい発想で、理想のボードについてディスカッションします。
それらを総合して、一つ一つカタチにしていく作業を一年中行っています。
「CARVING CATEGOLY」では、メタル素材の厚さや形状を大幅に改良し、
革新的なメタル・グラスコンビネーションの構造にみがきをかけました。
また今期は、グラトリライダーとカーヴィングライダーから選抜されたテストチームにより、
「RUN&TRICK」にコンセプトを再定義しなおしたMACH(マッハ)をフルモデルチェンジ。
カーヴィングとトリックの融合を目指した、新生MACHシリーズです。
今シーズンはコロナ禍の影響で、秋の中国や初あ冬の韓国での雪上テストもままなりませんでした。
開発ライダーが一同に集まる事もなかなかできず、リモートが中心の開発ミーティング。
そんな中でも、チームライダー達はさらなる飛躍、快適で楽しく、気持ち良いライディングを夢見て一生懸命仕事をしています。
GRAY SNOWBOARDS 21-22 LINE UP。
是非、お近くの試乗会にてお試しください。
Gray Snowboardsは、SufingとSkateboadingからインスパイアされた仲間達とエンジニアが集まり、気持ち良いソリッドなターンができるスノーボードを目指して1998年に立ち上げられた。その独自の設計力とデザイン力で、ハイパフォーマンス・スノーボードブランドとして不動の地位を築いている。単なるOEMブランドとは異なり、アウトラインモールドはすべてが独自設計。計算し尽くされた3次元カーブの組み合わせによる、機能的で美しいシェイプはもとより、組み込む素材の一つ一つを吟味選定。1/100mm単位のコアプロファイル(ウッドコアの厚さバランスのこと)もすべてが独自設計である。鋭い閃きからくる仮説と、それをひとつひとつ雪上で検証してゆく緻密さこそがGRAYテクノロジーだ。現在、日本国内ファクトリーはもとより中国にも生産背景を持ち、新たに台湾ファクトリーでのコラボレーションを開始。さらに理想のスノーボードを追求している。
「Engineered with GRY progressive inspirations.」をコンセプトとしたGRY Labプロダクトは、革新的閃き(インスピレーション)をもって設計されるスノーボードである。
2021-2022 GRAY SNOWBOARDSは、全モデルがウッドコア・サンドウィッチ構造。さまざまな種類の木材を組み合わせた「コア組み」から独自に設計し、ファイバーグラスだけではなく、チタナル素材やカーボン素材を組み合わせることで、より高い剛性としなやかなフィーリングの両立を目指しています。
コアコンストラクション: 芯材の構成・込み合わせ。
木材の種類はさまざまで、また産地によっても特性には差があります。ボードのコアにはウッドが最適な素材ではありますが、ボードの各部位によって、求められる特性が異なります。つまり、軽さと強度という相反する要素を、それぞれ高いレベルで実現する必要性があるからです。その為に、強度が必要とされる部位には高密度で高強度なウッドを、そして軽さを求められる部位には軽量なウッドを組み合わせることで、軽量で強度の高いGRAY独自の「100%ウッドの複合コア」を設計しています。
超軽量ウッドのサワグルミを主体にして、インサート部と エッジ際をメープル材で強化した新しいコア組み。EPICのために新採用され、ファイバーグラスプレートとの相乗効果で、軽さと板の反発を両立。 |
桐をベースに、両サイドにヒノキをやや広めに組み合わせています。桐は極めて密度が低く、ボードの軽量化には非常に効果がありますが、圧縮強度がやや低いのが難点です。このコンストラクションでは、上下に組み合わせるファイバーグラスを工夫することによって、強度不足を克服。サイド部のヒノキとの相乗効果もあり、最軽量ながらも粘りと反発のある組み合わせとなっています。 |
サワグルミをベースに、インサート部を含むボード中心部をノーズからテールにかけてと、両サイドのエッジ際にソフトメープルを配した組み合わせです。 |
100%上質のポプラを使用した、軽さと強度のバランスの良いコア。このライトコアには、Quadraxグラスを上部に組み合わせる事により、軽量ながらもターンの粘りと適度な反 発の良さを実現しています。 |
一つの大きな円の一部(円弧)を使用したサイドカット。このサイドカットは、まさに万能性のあるサイドカットです。どんなシチュエーションにおいても、ナチュラルでスムースなボードの動きを体感できます。 |
3つの円弧を組み合せたサイドカット。GRAYでは足元(スタンス間)に小さなRを配置し、ノーズ部とテール部にはそれよりも大きなRを配置しています。ターン導入の時やジブトリックの時には非常にスムースな動きを示し、ライディング時には足元のサイドカットがしっかりと雪をグリップ、 そしてターン後半やキッカーでの抜けも極めてスムースです。 |
5つの円弧を組み合わせた、マルチラディアスサイドカット。スタンス間のボード中心部に最も小さなRを配置し、ノーズ側とテール側にかけて徐々に緩やかなRを配置すると言うスペシャルなサイドカットです。 |
ノーズとテールの長さ、形状により、3つのグループに分類しています。
進行方向に対し、はっきりとした方向性を持たせた(Direction)アウトラインシェイプ。ノーズ長をやや長めに取り、さまざまな雪質やコンディションに対応。テール長は、スイッチでのライディングを犠牲にしない程度に比較的短めとなっています。 |
DirectionalとTwinの中間的なシェイプ。テールよりも、ノーズを少しだけ長く取り、スピンやスイッチでのライディング感覚を犠牲にしないで、パウダーや悪雪での走破性を高めた、最もオールマイティなシェイプです。 |
ノーズとテールがまったく同じ長さ、同じ形状のシェイプ。スイッチでのライディング時に、ノーズ・テールの違いがまったく気になりません。 |
SINGLE CAMBER |
100%フリーライドの為のキャンバーテック。中央部分が強いRで、接雪点に近づくにつれて緩いRになっています。このことで、ボードのしなりが大きくなるにつれ、接雪点は大きく内側に入ってきて、ボードは反発を得て次のターンへと加速することができます。
ACTIVE CAMBER |
オーソドックスなシングルキャンバーに対して、接雪点近くの緩いR部分を、わずかにストレートにすることにより、荷重時にはさらに接点が内側に入ってくると同時に、ボードの両端での面圧がさらに弱くなり、軽快で取り回しのしやすい高い操作性を実現。足元のキャンバー感をしっかりと残しつつ、遊びのある軽快な操作性が特徴の、次世代アーチ「アクティブキャンバー」。
VARIO CAMBER |
ボードにかかる圧と、ボードを立てる量(角付け)により、有効エッジ長が大きく変化する、斬新なアーチ形状。従来の接点が大きくボードの内側に設定されています。低速時には短いコンタクトレングスで高い操作性を保ちながら、中高速でのハードなターンでは高いグリップ力を発揮します。
S-CAMBER |
ノーズ先端から前足下までを大きなロッカーRとし、スタンス間にはキャンバーを配置するいったS字型のキャンバー・ロッカー。深雪、圧雪、地形遊びといった、オールマウンテン・フリーライドの為に考えられた「S-Camber」は、 スナップの利いた乗り味と、緩やかなノーズロッカーによる 極めて低い除雪抵抗により、今までに体感したことのない、新しいフィーリングを体感できるだろう。
GULLWING W CAMBER |
V形状のロッカーに、両足下にそれぞれキャンバーを付けることで、全体的にはロッカー形状でありながらも、ノーズ・テールにバネがあります。この複合Rのアーチ形状は、ライディングにも充分に対応しながら、ジブでのスムースさを実現しています。
HYBRID CAMBER & ROCKER |
両足の外側は緩やかなロッカーで有りながら、スタンス間はキャンバーという「ハイブリッド・キャンバー・ロッカー」。ロッカー部分は、ルーズなボード取り回しを実現し、ジブセクションやグラトリでは抜群の扱いやすさ。それでいてスタンス間のキャンバー部は、ボードを角付けした時のしっかりとしたエッジングにより、切れるカーヴィングをも手に入れた。まさにロッカーとキャンバーの良い所を併せ持った形状だと言える。
POWDER ROCKER |
ボード全体に緩やかなロッカー形状ながら、ロッカーの中心をややテール側に寄せてある。このことで、少し後ろ足荷重にするだけで、ボードの前半部が自然に浮いてくるというマジックアーチ形状。そして、ノーズとテイルのアップアールはしっかりと取り、接雪間を緩いロッカーとすることで、圧雪でも難なくカーヴィングをこなすことができる。
コアプロファイルとは、ノーズ先端からテール後端にかけての、芯材(ウッドコア)の厚さの変化の形状(バランス)です。大きく分けて下記の3つのタイプがあり、タイプによってライディングフィールに特徴があります。 |
両足スタンス間のコアの厚さが山盛り(または一定)で、前足からノーズ先端部と後ろ足からテール後端部へかけて緩やかにコアが薄くなっていくタイプ。ボード中央部(スタンス間)が比較的高剛性になるため、滑走面全体を広く両足の足裏で感じる事ができ、スピードが上がってきても安定したターンをすることができます。 |
スタンス間が少しだけ薄くなっているプロファイルです。Positive ProfileとNegative Profileの中間的な特性で、スタンス間でのある程度の剛性を保ちながらも、少しねじれやすくなっていることによって、レスポンスや扱い易さを両立できるプロファイルです。 |
スタンス間が極端に薄くなっているプロファイルです。スタンス間が薄くなっていることによって、ターン中のボードのしなり方が、比較的ボード中央付近が多くしなり、クイックなレスポンスを感じることになります。また、スタンス間が薄いことで、ボードのトーションがスタンス間で弱くなり、前足と後ろ足を雪面に対して別々の角付け(前足と後ろ足の動きが少し違う時など)をしたい時にも有効で、ボードに対して微妙な扱い易さを感じることができます。 |
前後対象なフレックスパターン。センタースタンスにセッティングする事が多い。 |
フレックスパターンはテール側が強い。セットバックしたスタンスポジションをとっても、テールのハリがしっかりとある。 |
ボードフレックスを10段階(数字が大きい方が強い)で表しています。N-W-Tはノーズ・ウエスト・テールのフレックスを表しており、NとTの数字が同じ場合はツインフレックス、異なるモデルはディレクショナルフレックスということを表しています。 |
スノーボードの滑走面は、そのライディング目的によってフラット~コンベックスであることが重要です。コンケイブ状態ではターンもしづらく、取り回しや操作性が極めて悪化してしまいます。GRAY SNOWBOARDSでは、アルパインモデルを含むすべてのモデルにおいて、滑走面をコンベックス形状(凸)に仕上げています。また、コンベックスの量も、各シリーズによって精密にコントロールされています。
GRAYでは、さまざまなスタンス幅やセットバック値をとることができるよう、各シリーズにおいて予め2x4cmでインサートを埋め込んでいます。スタンス幅やセットバック値については、推奨値を設定していません。スノーボードは、ライダーが最も快適なスタンス幅で乗るべきであり、身長や好みでスタンス幅は大きく異なります。また、セットバックについても、好みの量を選んで欲しいと考えています。ボードの乗り味は、セットバック値でも大きく変化し、センタースタンスで乗った時と、セットバックした時とでは、同じボードでもフィーリングが大きく異なります。GRAYでは狭いスタンス幅から広いスタンス幅まで、センタースタンスからセットバックした時まで、さまざまな異なるセッティング時においてもその性能が100%発揮されるようにコア厚を設計し、雪上テストを繰り返しています。
Carving Categoly開発チームは、複数年にわたる開発スケジュールのもと、今期はリモートミーティングでディスカッションを重ねてきました。
今秋は中国、韓国での雪上テストを行うことができませんでしたが、11月上旬からの志賀高原横手山、熊ノ湯、そして八千穂高原を経て、
最終の雪上テストは日本国内の様々なコンディションで行いました。
そして、21-22における大きなトピックは、MACHのコンセプトを再定義しなおしたことです。
カーヴィングの中でのトリックや、トリックとトリックの間のカーヴィング…
ラン&トリックとも呼ばれるスタイルは、新しいカーヴィングのスタイルとも言えるでしょう。
低速でのフラットランドトリックを重視したショートレングスから、中高速域でのトリックを織り込んだライドを可能にするレングス設定とフレックス開発。
求めるスタイルやライディング斜度、速度域にマッチしたレングスをチョイスする事ができるようにと、
ラントリ開発チームが一丸となってテスト開発を行いました。
■ 上下0.4mmのチタナルによる、フルメタル・サンドイッチ構造
■ シンタードトップ採用
■ 硬度48のスチールエッジ